前田屋のお米ができるまで

11月

土づくりを始める

お米づくりって、田植えからはじまると思ってない?
実は、収穫が終わってからすぐに来年のお米をつくるための土作りが始まるんだ。

酵素散布 稲わら分解

「お米の前田屋」では、オーガニック認証を受けた田んぼで、農薬・肥料を一切使わない自然栽培による米づくりを行っています。よい作物はよい土からという考えにもとづき、微生物を使った酵素を独自に開発。前作の残渣(稲わら)と酵素だけしか使わない地球にとってやさしい循環型農業を実践。

大地の恵を受けて育った米は力強く、食べた人を元気にする“米力(こめぢから)”を備えています。

※田んぼに酵素を散布するのは、状況に応じた与え方で年に4回行います。

4月

種の準備

中身がギュッと詰まってズッシリ重い種は、
丈夫に成長するお米の証!

温湯消毒

稲の種は、秋に実った稲穂の籾(もみ)。つまり、お米の種はお米そのものです。
まず、強いお米に育つよう種を塩水に浸して中身が詰まっている重く沈んだ種だけを選びます(比重選)。そして選んだ種は、病原菌を退治するため消毒します。前田屋では食の安心安全と環境を守るため農薬は使わず、60℃の熱湯に浸けて温湯消毒をおこなっています。

種まき

のびのびと育てると、
強くて丈夫な子に育つんだよ。

酵素散布 温湯消毒

前田屋の苗は、育苗箱では種1粒あたりのスペースを大きくとって、のびのびと育つよう根を張る空間を確保します。通常の半分以下の種の量で、倍以上の生育期間をかけて特別な苗に成苗にします。こうして病害虫に負けない丈夫な苗になります。

種1粒から500~800粒のお米ができます。
つまり種6粒でお茶碗一杯分になります!
お米は生命力にあふれています。これぞ米ぢから!

5月

苗を育てる

愛♡のスパルタ教育に耐えて、
強いお米になるで~

苗踏み

通常、苗は赤ちゃんを扱うようにやさしく育てられますが、前田屋では、病気や害虫に負けない強い稲に育てるため、苗踏みをして茎や葉にストレスを加えます。そうすると茎は太く強くなり、根は良く張り、台風が来ても倒れない腰の低い丈夫な苗になるのです。

若竹色の苗

実は私、食べても美味しくないんです(涙目)

酵素散布

苗は栄養を与えすぎると緑色が濃くなりますが、実は緑が濃いと虫が好んで食べてしまうのです。一般的にはそこで農薬を使いますが、前田屋では農薬を使わず、淡い黄緑色、いわゆる若竹色に育てて虫を寄せ付けない工夫をしています。虫にはおいしくない苗なので、農薬を使わず防虫ができるのです。

6月

田植え

待ちに待ったプール開き!
田んぼにダイブする準備は万端

代掻き 田植え

田植えをする前の重要な作業が、代掻き。河川から田んぼに水を引き込み、トラクターで土を細かく砕いて土と水を混ぜ、田んぼの表面を平らにならしていきます。苗を植えやすくするとともに、田んぼの水が漏れ出すのを防ぐ効果もあります。また、田んぼに水が入ることで、そこに棲むいろいろな生物の活動スイッチが入ります。

エコノミーでは窮屈すぎ〜。
のびのびビジネスクラスに乗りたいよね。

酵素散布

育苗箱と同じように、広々とした間隔をとって田植えをします。密集して植え込むと、日当たりや風通しが悪くなり、害虫や病原菌が繁殖しやすくなるからです。
通常より間隔を広くとる栽培を疎植栽培といい、苗どうしの栄養分の取り合いを抑えることで、一株あたりの吸収率を高め、大きくて丈夫な稲へと育っていきます。

7月

稲の成長

雑草との知恵比べ。いろんな力をあわせて
無農薬栽培を実現しているよ

水生生物 ジャンボタニシ

除草剤を使わない前田屋のお米づくりは、いろいろな技術で成り立っています。代表的なものは、カブトエビやホウネンエビなどの水生生物の力を借りた抑草技術。彼らが田んぼの中で微生物やプランクトンを捕食するために動き回ると、田んぼは茶色く濁り続けます。水が濁ると、お日様の光が水中に届きづらくなり、光合成を妨げ雑草が生えにくくなります。他に、水深を10〜15cmに保つ「深水栽培」やジャンボタニシを利用して雑草に打ち勝ちます。

ジャンボタニシと水管理

ジャンボタニシは水田に生えている草なら何でも食べます。特に田植えしたての柔らかい苗が大好物。なので米農家の天敵と呼ばれています。しかし、体長より水深が浅いと活動が鈍くなるという特性があるので、前田屋ではそれを利用し、田んぼの水量を絶妙に調整して、ジャンボタニシには苗のまわりに生えてくる雑草の赤ちゃんを食べてもらいます。
ジャンボタニシは、農家にとってはうまくつきあっていかなければならない生き物。田植えは梅雨の時期と重なることが多く、増水して水深が深くなった箇所に植わった苗を根こそぎ食べてしまうという怖い一面も持っているのです。

田んぼで中干しをしていたら、
鰻を食べる日が近いってこと

中干し

気温が高くなった「土用の丑の日」の頃、田んぼの水を一時的に排水して土を乾かす「中干し」をします。土用干しとも呼ばれるこの作業は、土を乾かし、田んぼの地盤を固めることで、これからやってくる台風に備え稲が倒れるのを防ぐ大事な工程です。

8月

稲の花

とっても命が短い稲の花。
出会えたらラッキーかも⁉

穂の花

稲の成長が進むと茎の中から、やがてお米になる穂が顔を出します。稲の先端に白い小さなものがたくさん…実は、これは稲の花。
夏の天気の良い日の午前中ほんの数時間だけ咲いて、その短い間に受粉がおこなわれます。もみ殻になる部分が二つに割れて中からおしべが伸び、その花粉が風に運ばれ、めしべに付いて受粉します。受粉が終わると稲の花はすぐに閉じてしまいます。

おいしいお米になるために全精力を集中!昼間にためたエネルギーを夜中に米粒に送り込むよ~

登熟

穀物の種子が発育・肥大することを登熟(とうじゅく)といいます。登熟期になると、稲は種子、つまりお米を実らせることに集中します。日中は光合成でデンプンをつくり、夜間はその栄養を籾(もみ)に送り込みます。この時期に晴天が続くと光合成が盛んになり、おいしいお米に育つのです。
籾が栄養分をしっかりと溜め込む頃には、田んぼ一面が黄金色に染まってアキアカネがその上を飛び回りはじめると、稲刈りシーズンの到来です。

9月 10月

収穫

いつかな?まだかな?
頭を垂らして刈り取りの時を待ってます

収穫

太陽と大地の恵み、台風などの洗礼を受け発芽から約150日、田んぼが黄金色に染まりアキアカネが空を飛び回りはじめると稲刈りシーズンの到来です。刈り取りが早いと未熟なお米が多く収穫量が減り、逆に遅くなるとお米の色ツヤが悪くなって品質が下がってしまいます。お天道様と相談しながら、ベスト・タイミングを見極めコンバインで収穫していきます。

ここで気を抜くと大変なことになっちゃう!
丹精込めておいしいお米を仕上げていくよ

乾燥機

収穫後は乾燥です。多くは作業効率のため45〜50℃の高温で一気に乾燥させますが、急な乾燥は米粒がひび割れ味が落ち、発芽能力も失われます。
「生きているお米」=発芽する玄米にこだわる前田屋では、人肌の低温でじっくり乾燥、風味を逃さず発芽もできる玄米に仕上げます。また、お米全体の水分値を微調整する二段乾燥をしています。

二段乾燥のおはなし

野菜と同じように、稲も田んぼの中で育つ場所により生育度合いはまちまちです。収穫した籾は、水分値の高いものもあれば低いものもあります。これをできるだけ解消する技術が「二段乾燥」です。ある程度まで乾燥させたら籾を寝かせて、籾どうしに水分のひっぱりあいをさせます。こうすることで、水分が均一になっていきます。全体の水分値がそろうまでおよそ半日の時間を設けたあと、仕上げ乾燥(二段階目)へと移り、適正水分へと調整していきます。

粒ぞろいが美味しさの秘訣!
「えっ!炊飯器変わった⁉」ってよく言われます。

低温貯蔵庫

籾が乾燥したら、まわりの殻を取り除く籾摺りです。ここで、より優れたお米が揃うよう選別します。前田屋では通常よりも網目の大きいふるいにかけて、大粒のみを厳選しています。お米が粒ぞろいだと、炊飯時の吸水ムラや炊きムラがなくなり、ごはんの質がアップ↑します。その後、すぐに一定の湿度と温度でおいしさを管理できる低温貯蔵庫へ搬入します。ここから年間を通しておいしいお米をお届けしています。

10月

お届け

精米機 発送作業

最高の状態で食べていただきたいから、精米作業は発送前日、袋詰めは当日と定めています。小分けの際にもう一度選別機を通すことで、砕米やヌカ、小石などの異物を取り除き、品質管理に細心の注意を払っています。包装は、クラフト袋と長期保存が可能で備蓄に最適な真空パックからお選びいただけます。

精米のおはなし

お米の味の善し悪しは、玄米のヌカ層と白米のデンプン層のあいだに存在する旨味層をいかに残すかで決まります。無洗米や、上白米と呼ばれる精米度合いが高い白米は、この旨味層が完全に除去されてしまいます。玄米を食べている人が「白米よりコクがあって噛むほどに味わいがする」とよく口にするのは、この旨味層が残っているから。
前田屋では、旨味層を残すため、精米時の気温や室温、品種によるお米の硬さ、ヌカ層の厚さなどを考慮し、微調整しながら精米しています。

あなたの食卓へお邪魔しまーす!
ぼくらのおいしさ味わって